ブログの色

三浦しをんの『ビロウな話で恐縮です日記』を猛然と読む。

その感想は明日にまわすとして、彼女のほかにお手本にしたい、好みの文章といえば恩田陸だ。あのドライタッチな文章で日常を切り取ることができたら、物語を紡げたら、言いすぎではなく他にはもう何もいらない、という気がする。

テレビをつけた時、たまたま流れた宇多田ヒカルの「One Last Kiss」。

生歌唱ではなく歌詞のテロップ付きでダンスバトルのため流されているという感じだったけど、踊るイケメンどころではないくらい、冒頭の歌詞にガツーンとやられた。

初めてのルーブルは/なんてことは無かったわ

私だけのモナリザ/もうとっくに出会ってたから

久しぶりにシビれた歌詞、というか詩だった。

詩と言えば、俳人の夏井いつきのYouTubeで紹介された句もそらで言えるくらい好きなものが最近あって

ダリア、ダリア先生の名字が変わる

ガラスが細かく砕け散るような光と痛みを感じられて妙に心がざわっとする。

一方で、これは夏井いつきの書籍のなかで紹介されていた一句

犯人は愛人かしらみかん剥く

冬のこたつでテレビ番組を見ている情景がありありと浮かんできて良い句だなあ、と忘れられない。

この2句を比べてみると、前者は恩田陸っぽさ、後者は三浦しをんっぽさがあり、カラーは違えど私の好きな世界観なのだなと、今書いていて思った。

昨日も書いたけど改めて、クリエイターに依頼したアイコンの仕上がりがとてもかわいくて嬉しい。

納品前に2パターンの配色で見せてくれて、今回泣く泣く選ばなかったほうはパキッとしたグリーンバックでパッと目をひくアートな雰囲気があった。

最初のインパクトではグリーンのほうが力強く印象的だったのだけど、こっちのピンク系(?)にある柔らかさみたいなものが、このブログには合っていると思う。

方向性というか、このブログに書く文章に色があるとしたら、こんな色がいい、という気がする。

締めの言葉を考えながらふとベランダに目を向けたら、電線に10羽以上の雀が並んでいる。スマホカメラを向けてみたけど、曇天のせいもあって全く映えない。

灰色の日常、だけど少し奇妙な一瞬。恩田陸みたいだな。

結構眺めているけど、雀は一向に飛び立たない。

(読み直しているうちに1羽を残して消えていた)

(そして1羽もいなくなった)