料理に肉の旨味を加える調味料、という認識だ。
今試しにフォンドボーを検索してみると、フォン・ド・ボー(fond de veau)。フランス料理で使われる、子牛の肉や骨でとった出汁とある。フランス語の「フォン」はそのまま出汁という意味だ。
使い切りの個包装になった市販のフォンドボーがあって、昨日はその2回目の購入だった。ちなみに前回は、残ったフォンドボーをカレー作りに加えてみたら、心なしがとても深みのある味に仕上がっていた気がする。
そんなフォンドボーを欲しがったのは、夫である。「サルティンボッカ」を作るという。サルティンボッカ。あれ、調べてみるとイタリア料理だ……?
夫が振る舞った料理でざっくり説明すると、豚ロースの一面に生ハムを貼りつけて焼いたもの。本来は豚ロースではなく子牛を使うらしいが、肉に生ハムをはったり、生ハムを焼いたりと摩訶不思議なメニューだ。
正直「何だそれ」であるが、しかし酒飲みレーダーは反応する。
まず生ハムの塩気で豚肉を食べればおいしいに決まっている。しかも、豚ロースと生ハムのあいだにセージ(香草)を挟んで焼くのだから、肉だけでクドくなることもない。
その上だ、ソース作りにフォンドボーを使う。肉(生ハム)&肉(豚ロース)、さらに肉の旨味(フォンドボー)!
フライパンで焼いた肉に、白ワインとフォンドボーを加える。煮込むわけではないから、肉は早々に器に移動させる。ソース作りに同じフライパンを使うのは、漏れ出た肉の旨味をかっさらう意味もあるという。
残った液体にバターを加え、とろ~っと煮詰まればソースの完成。この現場を間近で見ていたのだけど、一瞬スイーツを作っているのかと錯覚するくらい濃厚なバターの香りにくらっときた。
フォンドボー、おそるべし。
ちなみにイタリアンシェフ日高良実のYouTubeチャンネルで紹介していたレシピを参考にしている。家庭で作れるシンプルでおいしいレシピを数多く発信しており、これからもぜひ夫の料理欲求を刺激し続けてもらいたい。