さる大企業がAIで生成したイケメンたちを起用(?)したイベントを開催するらしい。
公開された画像を見てみると、これがもう完成度というか、クオリティが高すぎて「現実にはいない人たち」という実感がわかず脳がバグるほどリアル。
そして皆嫌みのない美男子ぶりで、写真と見分けがつかない画像に親しみやときめきを覚えてしまう。
すごい技術だと思う反面で、自分の心の動きに戸惑いや恐怖を覚えてしまったのも事実だ。ロボットがあまりに人間に似てくると親しみから一転して負の感情を覚えるという“不気味の谷”現象がこれか。
これまでも現実にはいないキャラクターたちと疑似的に恋愛する乙女ゲーム的なものはあった。アイドルに本気で恋をする、という生き方もあるだろう。
しかし、生身の人間と見分けのつかないAIイケメンの存在って、これらとは似て非なるものというか、現実と虚構の見分けがつかなくなって実社会のほうに戻れなくなる人たちが出てくるのではないだろうかという一抹の不安がよぎった。考えすぎだろうか……
そうだ。何が怖いって、これほど人間に近いAIイケメンが生まれてしまったら、いっそ生身のイケメンには太刀打ちできないんじゃないかという恐れ。
“そういう設定”さえなければ、実は過去にひどいイジメっ子だったということも、未来に自分を裏切って別の女に乗り換えるということも100%ないわけで。“そういう設定”さえすれば、ずっと自分だけを一途に愛してくれる存在でいてくれる。
こんなことを悶々と考えてしまうくらい、まあ人間と見分けがつかない画像だったわけだ。しかもイケメン。本気で恋してしまう人がいてもおかしくないと思うほどの。
まあ詳細を伏せて話している背景には、そもそもこの企画が燃えやすそうでハラハラしているというのもある。もしこのAIの性別が逆のイベントだったら、セクシャリティな不快感を訴える人もいそうだなあと……
まあいつだって燃やす人は一握りで、素直に技術を喜べるのが一番良いんだろうけどね。