きれいな青年たちの物語が好きだ

※テレビドラマ相棒23シリーズ第6話「薔薇と髭の夜明け」のネタバレ要素含みます!

普段、脚本家や監督目当てで映像作品を見ることは滅多にないんだけど、相棒のエンドロールに「岩下悠子」の名前を見つけてあっ、となった。

それが相棒23シリーズの第6話。タイトル「薔薇と髭の夜明け」

事件は、ボランティア食堂を隠れ蓑にマネーロンダリングをしていた疑惑のコンサル社長が殺害されたこと。ボランティア仲間の青年が捜査に協力する一方で、容疑者はコンサル社長に入れ知恵したとおぼしき司法書士の青年。

この2人の青年には過去、互いの人生の分岐点となる交わりがあった。

端的に言えば、とても純度の高いブロマンスだった。

私個人のブロマンスの定義は、男性同士で恋愛感情を含まない深い絆、あるいは友情である。

冠城亘(反町隆史)が去ってから、すっかり夫に付き合ってながら見するようになってしまったのだけど、この回はそもそものストーリーが好きだった。そしたら「岩下悠子」だもの、納得である。

岩下悠子は作家デビューもしていて、『漣の王国』というのがとても面白かったので記憶していた。その際、確かに脚本家で相棒にも携わっているとプロフィールで見たのだった。

漣の王国は、美貌にも才能にも恵まれ、存在そのものが神の贈り物というべき青年が、なぜ自殺してしまったのか? という謎を巡る連作短編集だ。

繊細な性格だったのかといえば真逆で、大学での振る舞いは一国の王そのもの。すべてが順風に見えていたのに、死に至るいきさつが、周辺の人たちのストーリーから少しずつ浮かび上がってくる。

「薔薇と髭の夜明け」も『漣の王国』も、現代のお話なのにどこか寓話的で、水中から眺めているような透明感のある世界観がきれいだ。

出てくる登場人物たちも、外見、内面ともにキラキラと発光している人が多くて、岩下悠子ワールドの定期来訪者になりたい。きれいなメンズ、大好きだ。