メンタリストDaiGoの『超 発想力』を読み始めて、いきなり大きな矛盾にぶちあたった。
私たちのなかには生まれつき「創造性」を嫌う心理が備わっており、新しいアイデアを心の底では遠ざけている、というわけです。
実は心の底では、発想することを嫌っている。
前著の『自分を操る超集中力』でも触れられていたことだが、人の本能は原始の時代の記憶が根強く、生き残るためには新しいことよりも確実なものを好むのだ。
創造的に生きたいのに新しいことが怖いという矛盾
人が創造性を嫌うという言葉の衝撃は大きい。
というのも、私がバイブルくらいに思っている『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(ジュリア・キャメロン著、モーニングページについて書かれた本)では、超要約すると人は誰もが創造的な存在で、創造性は初めから備わっている血液のようなもの、なのだ。
「すでに持った創造性を開化させたい」「けれど、未知なものは怖い」
本題からは少し逸れるのだけど、『超 発想力』を読み進めているなかで、この矛盾に名前がついた。ヤヌス的な状況だ。
相反する2つを同時に成立させられないかと考えてみる発想法
ヤヌスとは、後頭部に別の顔があるローマの神の名前で、ヤヌス的な状況とは「ケーキを食べたいけど、太るのはいや」「働きたくないけれど、お金は欲しい」という相反や矛盾のあること。
そして「ヤヌス的思考」というのもあって、とても両立しえない正反対のものを同時に成立させることはできないかと考えることだ。
こうした相反する要素を同時に乗り越えようと考えることは、新しいアイディア作りにも役立つ。甘いものを食べたいけど太りたくないという解決策に、糖質オフスイーツとかダイエット・コーラとか。
そういう意味で考えると、小説投稿サイトなんていうのも「書きたい、読まれたい」「でも自分がこんなことを書いていると知られるのは怖い」というヤヌス的な状況をクリアした存在といえる。誰もが匿名で作品を発信できるからだ。
ヤヌス的思考から生み出されるアイディアは、市場ニーズが高いのかもしれない。
新しいものを恐れるのが人、乗り越えた先に幸福があるという事実
話は戻って『超 発想力』は、新しいことを怖いと思うのが人で、しかしその恐怖を受け入れた先には、幸福度が上がったりストレスが下がったりという事実があるよと科学的に教えてくれる。
1周しただけではとても回収しきれない情報量。掘り下げたい内容がいくつかあったので、これから2周、3周することになりそうだ。