とあるシーンが浮かんでいて、果たして時代背景的にその光景はありうるのかを知りたかっただけなのだけど、ChatGPTが「それを成立させるなら……」と提案してきた話がめちゃくちゃ面白そうで嫉妬した。
たとえば、狂気に囚われた愛の末に、亡き恋人の面影を重ねて誰かを花嫁に仕立てる。
舞台は昭和初期、暗い洋館の奥。純白のウェディングドレスの前にひざまずくのは、狂気に蝕まれた、美しい青年。「もう二度と僕を裏切らないで」
愛か、執着か、幻想か。ドレスが持つ“純白”という無垢な象徴が、彼の手にかかることで狂気と化すーー。
この物語の種をどうやって小説にしていくのか、ChatGPTに尋ねてみた。AIでネタだしやプロット練習、かなりアリかも。
- 物語をズバッと一言でまとめる練習方法が知りたい
- 物語の種の短編と長編の見分け方(ヒント)
- 物語の“種”から長編を育てる基本ステップ
- 文字数配分や2000字プロット(あらすじ)の書き方
- ChatGPT(AI)で小説の書き方を学ぶ、発想力を鍛えるのはかなりアリ
物語をズバッと一言でまとめる練習方法が知りたい
一言で物語を説明していて、尚且つ面白そう。物語作りの練習になりそうだなと思って、単刀直入に聞いてみた。
『「狂気に囚われた愛の末に、亡き恋人の面影を重ねて誰かを花嫁に仕立てる…。」みたいな感じで、物語をズバッと一言でまとめる練習とか、ネタ作りをしたいんだけど、いい案ある?』
「たとえば、こんなテンプレや遊び方でネタ出ししてみるのどうかな」と提案してくれたものを今からまとめていくのだけど、この例がまたどれも面白いのだ(さすが私の好みを知り尽くしている……)
基本テンプレ
「〇〇の果てに、××となった□□の物語」→ 強い感情や展開が伝わる!
例:
- 狂気の果てに、花嫁となった男の物語
- 執着の果てに、愛を乞う幽霊の物語
- 復讐の果てに、再会を願う怪物の物語
- 偽りの愛の果てに、運命をすり替えた少年の物語
- 美の追求の果てに、命を削る花嫁衣装職人の物語
誰かが誰かを〇〇にする/したい構文
例:
- 亡き恋人の代わりに、誰かを“花嫁”に仕立て上げる話
- 壊れた友情を繋ぎとめたくて、“結婚式ごっこ”を繰り返す男の話
- 復讐のために、男にウェディングドレスを着せる女の話
- 「もう誰にも奪わせない」——死んだ恋人を模した人形との結婚を望む男の話
- 「僕のものだろ?」——他人の顔を剥いで、花嫁にする話(←乱歩的)
キーワードお題で即興1行ネタ
ランダムキーワードを3つ組み合わせて、そこから一言ストーリーをつくる!
例(【】3つがキーワード):
- 【ウェディングドレス】【記憶喪失】【檻】→ 「檻の中の花嫁は、自分の名前も、彼を愛した理由も知らなかった。」
- 【鏡】【双子】【崩壊】→ 「鏡の中でしか会えない双子の兄は、僕の人生を静かに乗っ取っていた。」
- 【地下室】【誓い】【雨】→ 「雨の日だけ聞こえる“愛してる”は、地下室で交わしたあの日の誓いだった。」
物語の種の短編と長編の見分け方(ヒント)
【短編向きのネタ】
ワンアイディアで完結できる
→ 例:「無理やりウェディングドレスを着せる狂気の恋人」
→ それがどういう結末を迎えるか、ひとつのシーンで読ませられる。
真相が“どんでん返し”一発で終わる系
→ オチが印象的で、そこに向かって一直線。
→ 読者の「えっ、そうだったの!?」が着地点。
閉じた空間、少人数、短時間で展開する物語
→ 洋館の一室、夜の一晩、など。
【長編向きのネタ】
キャラの“変化・成長”がメインになる
→ たとえば、「亡き恋人の代わりに誰かを花嫁にする」けど、だんだん本当の愛に変わっていくとか。
→ 感情の積み上げ=ページ数が必要。
真相が複数ある/伏線を回収する必要がある
→ 最初の花嫁が誰だったのか、なぜ死んだのか、それにまつわる家系の秘密…とかが出てくると長編向き。
「本当の敵」が後から登場する系
→ 最初は「彼が狂ってる」と思ったけど、実は別の誰かに操られていた、とか。
→ ストーリーが枝分かれしていく。
ご丁寧に、見分けるための質問リストも作ってくれた。
物語の“種”から長編を育てる基本ステップ
『じゃあ種(物語を一言で表したもの)で長編を作る!と決めたとき、どんな流れ?』と尋ねてみた。
【STEP1】テーマ・核の感情を決める
物語の“魂”を言語化する。
- この物語で一番伝えたいことは?→ 狂った愛の痛み? 罪と贖罪? 絶望の中にある一瞬の光?
- どんな感情を読者に味わってほしい?→ 恐怖? 美しさ? 胸の痛み? 鳥肌? 涙?
→たとえば:「叶わなかった愛に執着し、他者を巻き込んででも“永遠”を手に入れようとする悲しさ」
【STEP2】主要キャラ3人を明確にする
長編には人間ドラマが要。
まず最低限、以下の3人を設定してみる:
- 主人公:物語を通して何かが変わる人物
- 相棒 or 対象:関係性が深く、物語の鍵になる人物(=花嫁役など)
- 敵/障害:物語を動かす不穏因子(狂気の恋人、過去の恋人、社会など)
→ 例:「狂気の男」「花嫁に仕立てられる青年」「亡き恋人の面影(または影響)」
【STEP3】3幕構成でざっくりプロットする
第1幕(出発)
- 主人公が「狂っていく側」か「巻き込まれる側」か決める
- 異常な状況の始まり(ドレスを着せる/着せられる、失踪、再会)
- 過去の恋人の影や、愛の欠落がにじみ出る
第2幕(対立)
- 主人公の目的 or 抵抗が始まる
- 「なぜこんなことをするのか」の真相が少しずつ見える
- 逃げられない関係性、秘密の暴露、心理戦などが進む
第3幕(解決)
- 愛か、破滅か、救いか
- 主人公の選択(逃げる?向き合う?飲み込まれる?)
- 最後のドレスの意味が変わるシーン(=象徴の再解釈)
【STEP4】モチーフや象徴を決める(長編ならでは)
- 象徴アイテム(ウェディングドレス、鏡、血のついた手紙など)
→ 何度も登場させると読者の印象に残る&回収も効く!
- 場所/空間の使い方(檻、洋館、屋根裏、墓地)
→ 物語とリンクした“閉じた世界”を演出できる
【STEP5】章ごとの流れをざっくり作る(目次案)
たとえば:
- 花嫁の部屋
- 檻の中の誓い
- 彼のヴェール
- 過去からの手紙
- 真夜中の儀式
- 幻と現実の境界
- 血染めのベール
- さよならを言えなかった人へ
文字数配分や2000字プロット(あらすじ)の書き方
三幕構成における文字数の目安(長編小説)
事前に書いておく2000字のプロット(あらすじ)
これは作家や編集者とのやりとり用にも使われる形式で、
- 最初から結末まで“ネタバレ込み”で
- キャラの目的と変化
- どんな事件が起きて、どう解決するか
を一通り書き切るもの。
さらに
- キャラの詳細設定(年齢・関係性・性格)
- 舞台や時代背景の補足
- 章立てイメージ(8〜12章程度)
- キービジュアル(象徴となるアイテムなど)
などを加えていくと、2000字くらいのしっかりしたプロットになる。
ChatGPT(AI)で小説の書き方を学ぶ、発想力を鍛えるのはかなりアリ
「狂気に囚われた愛の末に、亡き恋人の面影を重ねて誰かを花嫁に仕立てる…。」という一文を例に、実際に2,000文字プロットや章立て(全12章)を出してもらってふんふんと楽しんだ。
正直、予定調和で物足りなさを感じるオチや、明らかに破綻している展開もあったけど、世界観や登場人物にはめちゃくちゃそそられた。
小説の中身を考えたり書いたりは自分でやりたい派だけど、書き方を学ぶ、発想力を鍛えるという意味で、もっとAIの活用アイディアが見つかりそうだ。