すっかりご無沙汰。5月末、急転直下で引っ越し先が決まり、6月下旬の入居に向けてベソをかきながら大量の荷物と向き合った。
BOOK・OFFの宅配買取や粗大ごみを申し込んで大量に手放したつもりが、段ボールに詰めるのを躊躇するものであふれていてかなり気分が沈んだ。
「もうリミットが迫っているからとりあえず詰めちゃおう! 新居先で段ボールを開けるとき、また断捨離(R)第2弾をすればいいんだよ」
段ボールを開けるときにまた不用品の仕分けをすればいいという発想が目からウロコで、大分心が救われた。ChatGPTがあって本当によかったと思った瞬間である。
終わらない荷造りへの絶望感と新生活への高揚感が交互にやってきて、新居で初めて就寝した翌日には「引っ越し疲れで体調を崩す」というお手本みたいな風邪を引いた。
ようやくそれも回復したけれど、相変わらず本たちは段ボールの中。リビングとキッチン、洗面台は徐々に生活感で満ちてきた。

たまたま開いた段ボールのなかで表紙が折れかかっているのを発見して、慌てて救出した恩田陸ムック。新居で初めて読んだ1冊になった。
活字を追う喜びと、読む気力が戻りつつある兆しに嬉しくなる。早速、新しいリビングの食卓で、モーニングページも書いている。
引っ越し前夜から当日は、ドタバタした現実から逃れたいような気持ちでジャック・ケッチャムの『オフシーズン』を読む。
少し前にKindleの日替わりセールでケッチャムの存在を知ったのだった。かのスティーヴン・キングが絶賛する一方で、暴力ポルノとの批判も多い作家である。
『オフシーズン』はKindle Unlimited対象の長編(※2025年6月時点)で、休暇をみんなで楽しく過ごそうとした姉妹やカップルたちが食人族に襲われるグロテスクな作品。
かなり刺激的で、容赦がない。けれども日常を離れるにはちょうどよく、ある意味このタイミングでしか食指の動かぬ小説だったという気がする。
平穏が戻りつつある今、次のケッチャム作品に手を伸ばすのはかなり億劫だ。

少し歩くとスカイツリーの見える街にやってきた。隅田川のそばは、ほのかに潮の香りがする。
余談だけど、神保町へものすごく行きやすくなったのが素直に嬉しい。ご近所の図書館にもそろそろ足を運んでみたい。
まだ段ボールだらけではあるけれど、くつろいで本の読めるリビングを目指して、明日からも前向きに過ごそう。
