
子どもの頃から、片付けが苦手だ。
大人になって、たくさんの片付け本を読んでみた。知識はたくさん増えたと思う。けど相変わらず片付けは苦手だし、それが住環境にも出ている。
3ヶ月ほど前の引っ越しを機に、リビングだけはなかなか素敵な感じを維持できている。キッチンは、まあ生活感といえる許容範囲か。
ただ、在宅の仕事をするスペースは、部屋というより物置。無造作に置かれた段ボール、紙袋、置き場の定まっていないチェスト。「いつかやろう」と思いながら、早3ヶ月!
そしてまた、いそいそと片付け本を開く。Kindle Unlimitedで今月の新着にあった『1秒収納』(中田りょうこ)だ。
面倒くさいと思うことが、脳の習慣になっている
片付けられないのは、センスがないのではなくて、「後回しにするのが当たり前」というマインドが、根本的な原因なのです。
片付けが苦手、センスがないというのは思い込みで、後回しグセがついてしまっているのでは、というのが本書。
「片付けが苦手キャラ」を演じていれば、自宅が誰かの目に触れたときに心の予防線を張ることもできる。しかし、長期的に考えると「片付けのできない、だらしのない自分」というセルフイメージがついてしまい、生き方にまで悪い影響が出てしまう。
そして後回しグセの恐ろしいところは、雪だるま形式で先延ばしにすればするほど手がつけられなくなること。朝の後回しが昼に、昼の後回しが夜に、そして翌朝に繰り越される。まるで終わらない借金地獄だ。
毎日15分“ぱなし”のパトロールをする
まず大切なのは、また後回しにしようとしている自分のクセに気づくこと。そして「今、やれない?」と考える。
5分以内にできることなら、やってしまう。繰り返すことで、すぐやった方がラクだということに気づけるからだ。
毎日15分、出しっぱなしのものを戻す「“ぱなし”のパトロール」という提案が具体的。いわゆる毎日15分片付ける習慣を持とうという話なんだけど、「使ったモノを戻すだけ」なら片付けというより家事の延長。苦手意識のある人にとってもハードルが低い。
そして「毎日やる」と決めるのは面倒なようでいて、「やろうか、やらないか」と葛藤することがなくなるから、実は続けやすいという視点が新しかった。
「面倒だな」と思ったら、「今すぐやったほうがいい」のサインなのだ。
片付け本は一時的に元気になれるエナジードリンクのようなもの
残念ながら、片付けの知識が頭にいっぱい詰まっていても、思い通りに片付くようにはなりません。大事なのは、あなたが片付けの苦手意識を無くし、楽しくラクに片付けられ、行動できること。
著者の片付け塾入門者のエピソードに、片付け本が床に転がっていた、とあって笑うに笑えない。(よし、転がってないよな……)
一時的にやる気が出るけど、持続はしない。片付け本は、まさにエナジードリンクのようなものだ。そんな比喩を片付け本で読んで、妙に納得してしまった。
ぱなしのパトロール、はじめます。
