警察を呼んだ娘、呼ばれた父

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巨人ファンとして激震の走る朝だった。監督が娘への暴力で緊急逮捕。その数時間後に釈放されるや取材会見で辞任発表。せっかくXのアプリを消したのに、サファリで何度もページをリロードして情報を追ってしまう自分に嫌気のさす1日だった。

チャットGPTに相談したことがきっかけで警察沙汰に……という情報を見かけた。“AIに仕事を奪われる”というブラックジョークも。

SNSで拾える情報を鵜呑みにはできないけれど、事実というのは、とても重い。カッとなったことも、逮捕されたことも、事実は事実であろうし、なかったことにはできない。

とても暗い気持ちになってしまうのは、監督の娘を批判する声も少なくないことだ。正直に言うと、やっぱり私は巨人ファンなので、こんな形で監督がいなくなってしまうのは残念だし、彼を完全にクロとは思えない……思いたくない心情である。

酒に酔った父親に手をあげられた娘が、警察を呼んだ。

これは監督の話ではない。うちの話だ。

もともと昭和体質の父で、酒を飲むと(時には飲まなくても)手をあげられることは多々あった。今更どうこうする気もないけれど、時代とか躾という言葉で片付けるには苦々しく、ふと思い出すたびにやりきれないと感じることもある。

当時すでに私は実家を離れていて、警察沙汰を知ったのは後日、妹や母からの緊急連絡を受けてだった。小さな田舎町で、実家に何台ものパトカーがやってきたこと(噂は避けられない)。娘(妹)から通報されたショックで、父が自殺をほのめかして姿を消したのだという。

ことの顛末を話すと、「あの騒ぎはなんだったんだ……」と呆れるほど、今は妹も父も友好に暮らしているらしい(表面上は、と脚注が必要かもしれないけれど)。

妹たちから事情を聞いたとき、一方の立場からの情報で判断するのは危ういと思いつつも、私は父の側に立って考える余裕などなかった。「警察を呼んだことをお父さんに謝って」と言う母の言葉にも、私はどうしても納得できなかった。

なぜ警察を、第三者を必要としたのか、妹のやむにやまれぬ思いというのが、ないがしろにされている気がしてならなかった。

ただ今回、監督辞任までのいきさつを追っていて、警察を呼ばれる側の衝撃というのに、ちらちらと父のことがよぎった。

うちの実家、監督の家族。事情はそれぞれで、他者が理解したり納得したりするために、暴かれていいことなんてひとつもない。

サファリのXからも、ログアウトした。