つべこべ言う暇で本を読む

昨日はついに本を一切読まなかった。

今に始まったことではないけど、平日は読みたいという気持ちはありつつも本に手が伸びない。そして、だらだらと仕事や家事をして1日が終わる無力感。

今朝は思い切って「1時間本を読む!」と決めて実行した。何を読もうかと考えている時間も惜しかったから、Kindle Unlimitedでダウンロードしていた西澤保彦の『人格転移の殺人』(講談社文庫)を開く。

その名の通り、人格が入れ替わるSF要素のあるミステリー。たしかSNSでおすすめする投稿を見かけて気になっていたやつ。肉体と人格が異なることで、真犯人探しがより複雑になっているという。

芋づる式で、同じ著者の『殺意の集う夜』という長編ミステリーも面白そうだ。Amazonのリストに入れておく。

Kindle Unlimitedは昭和から平成初期のミステリーがより取り見取りで、つい読みたい本を漁っているうちにまた時間が過ぎてしまう。

それで思い出したが、コンテンツがあふれる現代では、“だからこそ”日々の退屈レベルが上がっているらしい。

私たちはついつい面白いものだけを効率的にどんどん消化していきたいという欲求に囚われ、つまらない作品に出会うと早々に視聴を切り上げて次に行こうと考えてしまいがちです。

しかし、人生を楽しくしたいなら、クソ映画に出会ってもどっしり腰を据えて最後まで視聴するくらいの余裕が必要なのかもしれません。

ナゾロジーという科学情報サイトで公開されている『「何しても楽しくない」退屈な日々を一気に楽しくする”簡単な方法”』という記事だ。

退屈だからチャンネルを切り替える、動画をスキップするという行動こそが、退屈レベルをさらに高めるという研究結果が報告されているという。

nazology.net

たとえ「コレジャナイナ……」と思っても、すぐに切り替えるのではなくて、じっくりひとつひとつのコンテンツと向き合っていくことが、その内容の良し悪しに関わらず充実感を与えてくれる。

……ということはだ、暇があればKindle Unlimitedのおすすめ一覧を眺めているけれど、そんな時間があれば「つべこべ言わず本を読め(その1冊に集中してから次に行け)」ということなんだな。