ネットの記事で、食い尽くし系夫というパワーワードに出会う。その字の如く、何でもかんでも食べてしまう夫のことだ。
例えば、子どもが食事のなかで楽しみにとっておいた好物を「もう食べないのかと思って」と断りもなく食べてしまう。
中には幼な子の離乳食まで虎視眈々と狙っている夫もいるという、その次元になるともはや人間としてどうなのか。
程度はあれど、それをいうならうちの夫も食い尽くし系といえる。冷蔵庫や戸棚に甘いものがあればあるだけ食べてしまう。ただ、さすがに人のものまでには手を出さない。
逆に私は、冬のリスかというくらい甘いものを貯め込んでおく。忘れているわけでも、食べたくないわけでも、もちろんない。
冷蔵庫や戸棚を開けて、甘いものが目に飛び込んでくる。
それがちょっとキラキラして見えるときは、大抵疲れているか頑張っている途中で「よし、今日はこれを食べちゃうぞ」と自分にゴーサインを出す。
その時は「絶対に食べてやる!」と本気なのだけど、一山越えてみるとそれだけでもう満足してしまうのだ。
私にとっての甘いものは、食べることより「そこにある」ことが大切らしい。
もちろん、そこにある甘いものは周期的に変わっていく。心からくつろいでいる休日に、あっさりと手が伸びてしまうのだからなんとも不思議なものである。