土曜の午後6時。映画館を出ると、土砂降りの雨だった。
駐車場の照明が、夜の暗さを際立たせている。
バス停まで急ごうにも、スニーカーを浸水させないようにゆっくりとしか動けない。
乗り込んだバスの窓の向こうには、車の赤いライトがずらりと並んでいる。同じ信号に2、3度止まってなかなか進まない。
水滴の伝う車窓を眺めながら、この景色をAIに描いてもらうには、どう指示を出せばいいのだろうと考える。
ChatGPTのDALL-Eは、瞬く間に絵を仕上げる。が、一発で理想の1枚を出力できることはほとんどない。
自分が頭に浮かべた映像、目の前に広がる光景に近いものを描いてもらうには、表現力とそれを言葉にする力が求められる。
ここを絵として切り取りたいという観察やセンスみたいなもの、個性もあるかもしれない。
そしてイメージ通りに仕上がったとしても、そこには誇張された現実のような不気味さが混じる。
アスファルトに打ちつけ、跳ね返る雨。街灯に照らされている。
アスファルトの上で逃げ場を失い、溢れる水面に揺れる人工の光。
写実から一歩幻想に踏み込む。
赤い傘をさす女性を加える。
トレンチの男を加えて、ロマンスがはじまる予感。
立体から平面に。レトロな雰囲気。
おまけ。幻想からシュルレアリスムと油絵の雰囲気にしたなら?