在宅ワーカー、今年の終業まであと15分。一足先に年末年始休暇に入っていた夫と視線が合う。「もうすぐ! 仕事納まります!」
100万円くらい当たったんかというくらい満面の笑みだったという。自分でもここ最近でいちばん嬉しさが顔に滲んでいたように思う。
実際のところ、納まるか否かは自分次第だ。年末年始関係なく仕事を続けることもできるし、そうすれば当たり前であるけれど報酬も発生する。
在宅ワーカー、フリーランスあるあるなのだろうけれど、そうやって休みと仕事の境目が分からなくなって、心が常に急かされる状態は去年までで卒業。休みなんだから、休むんだ!
まあ仕事をしたくても(そんなことは絶対にないが)、今日から予定てんこ盛りでむしろハードスケジュールである。楽しみではあるんだけど、普段のぬくぬく引きこもり生活とのギャップで、数日前から心身がちょっと乱れている。
完全在宅を自分では理想と思っていたし、今後も手放すつもりはないけれど、人とほとんど接しない生活は確実に心を弱くしている気がしてならない。
そんなとき、購読中のある方のブログで、後味の悪い映画を見る理由にひどく納得してしまった。「心の免疫をつける」というのだ。
「自分だったかもしれない人生」をフィクションで味わい、心を強くするのだという。その発想はなかった。
社会派ミステリーですら胸が苦しくなって好まない自分だけれど、その苦しさに触れて心が強くなるということは確かにありそうだ。