Xに投稿した#名刺代わりの小説10選に書ききれなかったこと

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今週、Xで読書好きに人気のタグ「名刺代わりの小説10選」を真剣に考えてみた。

マイルールとして、作家1冊縛り。でないと恩田陸やクリスティーで10冊埋まってしまうと思ったから。

私の名刺代わりの小説10選【2025年2月版】

ようやっと選書してから「しまった! ハイスミスのスモールgの夜は外せない」と思い出して、泣く泣くドット・ハチソンの『蝶のいた庭』を外した。

『スモールgの夜』は、ハイスミスだからサスペンスというわけでもなく、ジャンルをいうのが難しい。ゲイの溜まり場であるスモールgを中心に織りなす人間模様……というのも説明としては不十分なのだけど、辿り着いた最後の一文に、人生というものを噛みしめたくなる。そして、自分の死んだ恋人に惹かれていた女性にも親しみを込めて接するゲイの主人公の好感度が高すぎる。

『蝶のいた庭』は、庭師と呼ばれるシリアルキラーに監禁されていた女性たちが保護されたところから始まる物語。回想という形で何があったのかが明かされていくのだけど、ぞっとするのに美しさもある。

江戸川乱歩はかなり悩んで『黒蜥蜴』。名探偵明智と女盗賊黒蜥蜴の大切を描く長編小説。読書ブログで感想を書いている。

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退廃的な遊園地が舞台の『地獄風景』と悩んだんだけど、好きポイントが『不連続殺人事件』と被っていたから外した。いっそ気持ちがいいのよ、男女関係の荒れっぷり。

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クリスティーもねえ……。なんだかんだずっと『ゼロ時間へ』が断トツだったんだけども(元妻と今妻と3人で仲良く休暇を過ごそうとする夫の地獄絵図)、最近読んだ『杉の棺』も捨てがたく、そんなんいったら『忘られぬ死』も諦めたわけじゃないぞって脳内会議が激しかった。

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こうやって並ぶとミステリーが核として、耽美や幻想、ブロマンス、猟奇やシリアルキラーが大好物ってはっきりするね。

10選を公開したあとも、しばし作家1冊縛りで本棚を眺めていたら、漫画やノンフィクションも含めて20選以上になった。追い追い、読書ブログのほうでまとめるつもり。