『虚無への供物』のゲイバーから始まる耽美な積読リスト

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はじまりは、久しぶりに触れた中井英夫の『虚無への供物』が、ゲイバーから始まる物語だったこと。

ずっと再読したいと思っていた作品で、Audiblueにあるのに気づいて聴き始めたら沼だった。

「虚無への供物で当時、流行がゲイバーから始まっていたみたいなんだけど、そうなの?」

何となしにChatGPTに尋ねてみると、出てくる出てくる。新たに読んでみたい昭和初期の耽美な作品たち。

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夜の街には煙草と酒と、詩と哲学と、ちょっと危ない恋があった。

『虚無への供物』が単行本として刊行されたのが1964年。この時代は戦後の混沌から文化が花開く夜明け前で、芸術家や文化人が集う夜の社交場としてゲイバーがあった。

中井と同じ時代に活躍していたのが、かの三島由紀夫澁澤龍彦。同性愛は公にはNGだったけれど、耽美主義と接点が深く、ゲイバーは文化の源泉といえたのだ。

『美、退廃、性、死、言葉の遊戯性ーーそういうものに惹かれる人にとって、1950~60年代は魔力のある時代なんだよ』

そんな時代を下敷きにして生まれたのが『虚無への供物』であり、同じようにこの空気感を味わえる作品が三島由紀夫の『禁色』や澁澤龍彦の『快楽主義の哲学』などである。

言葉の端々に退廃と美意識がにじむ│三島由紀夫『禁色』

ゲイバー文化そのものが作品世界の中核にあり、若く美しい男と耽美な老作家の倒錯的関係、同性への愛を純粋な美として描く。

『「虚無への供物」が好きなら絶対刺さる。』

日本文学における同性愛文学の金字塔│三島由紀夫仮面の告白

美少年への憧れ、死と性、芸術と暴力……あらゆるテーマが内省的な筆致で語られる。

『三島の美意識が全開。「退廃することが一種の美徳」みたいな空気を感じたいならマスト。』

あの時代の“夜の知性”をのぞき見│澁澤龍彦『快楽主義の哲学』

同性愛や耽美・幻想・死への偏愛が理知的に語られるエッセイ。

『「快楽と倒錯は知の入り口である」みたいな哲学が根底に流れてる。』

言葉の選び方がいちいち美しい│中井英夫とらんぷ譚

『虚無への供物』の著者による短編集。

『日常の中に潜む幻想と悪意、不思議で美しい「小さな毒」がある。』

耽美の糸でつながる作家たち│昭和耽美文学の扉が開かれた

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三島由紀夫とのつながりで川端康成が、中井英夫にとっての“耽美な異端性の祖父”として江戸川乱歩が、シナプスのように作家たちが繋がってゆく。

今上げた作品はすべて読んでみるつもりだけれど、特に気になっているのが澁澤龍彦

「私の人生はサロン文化そのものだ」といっていたくらい、文化サロンの中心人物で、ChatGPTいわく『知の快楽と美の倒錯を、誰よりもエレガントに語れる人』である。

Kindleで気になる著作がいくつも見つかったから、『虚無への供物』に感じた面白さにまだまだどっぷり浸かれそうだ。

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