ブログを書く理由

前日にワインを飲みすぎて少し頭が痛いのと、ソファにだらしなく座って本を読みすぎたせいで首と肩を痛めはしたが、3連休明けの憂うつはそこまで無かった。

連休中の収穫は、『ビロウな話で恐縮です日記』(新潮文庫)を読み終えたことだろう。マンガやBL好きの三浦しをんの日常ブログを書籍化したものだから、興奮気味に面白い作品に出会ったという内容も多く、スマホを手に何度本を調べたことか。

彼女のエッセイ関係は本編はもちろん「まえがき」が面白くて、特にビロウ~は書籍タイトルというかブログ名の由来をにおわせるチャーミングな書き出しだ。

三島由紀夫は日記に、「尾籠(びろう)な話で恐縮だが」と書いた。

その逸話を思い出すたび、赤面しながら由紀夫に飛びかかって、「好きだー!」と叫びたい気持ちになる。

この日常(?)ブログを作ろうと思い立ち、真っ先に『ビロウな話で恐縮です日記』を読み返そうと思ったわけで、理屈ではなく無意識にそれを求めた理由を「あとがき」で見つけた。

いつか死んでしまうと知っているから、人間は記録への執念を抱いているんだろう。

日記はきわめて個人的な記録のように見えて、実は他者へ向かって開かれている。なにかの記録をつけるという行為自体が、自分以外のだれかとつながりたいという欲望の表明なのではないかと思う。

たぶん、そうなのだ。こうしてブログを公開したにして、ほとんどの人は「自分に興味がない」。しかし書かずにはいられない。ある意味、この欲望には果てがなく、記録への執念は、漂着した無人島から手紙を流すのに似ている。

ともかく、3日坊主は避けられた。今はこのブログを、生活のどのタイミングで書いていくか思案中。理想は毎朝手書きするノート(日記)のあと、その流れのまま更新してしまうことだけど、さすがに毎日継続となると時間的に余裕がなさそうである。

生活のなかで、ピタリとはまるブログ時間を探していきたい。